蜂鍼療法の副作用 痛い!痒い!腫れる!?

痛い

蜂に刺されるという意識から始めから痛いと思い込んでしまうことが、痛みの大きな要因です。1秒以内の刺針ならそれほどの痛みは感じません。しかし、刺して5−10秒、そのままにしておくと(置針)途端に大きな痛みが襲ってくる場合があります。慣れてくるとこの痛みがないと蜂鍼をした気がしないとおっしゃる方もいます。実際、腰痛や四十肩の治療の場合に、わざと痛みが出るまで待ち、それから患部を動かしてもらうと可動範囲が一気に広がり、痛みも取れてしまうという効果が多く見られます。しかし、これは治療に慣れた人、肉体を常に使って鍛えている患者さんに対してでも、かなり注意深く行う必要があります。小児にも蜂鍼を行いますが、1秒以内の刺針では泣き出してしまうような痛みは感じないようです。

痒い

通常痒みは1日〜2日で消えますが、1週間も続く患者さんもあります。抗ヒスタミン軟膏を塗ると早くかゆみが収まります。また、刺針後に患部を指圧したり、アルコール綿で拭くことも痒みを止める効果があります。

腫れる

時として腫れる場合があります。その腫れが1週間も引かない場合もありますが、程度の差はあれ、問題なく腫れは引いていきます。刺針部の痒みを掻いて、ばい菌が入ってしまった時などに腫れが化膿してしまうことがありますので、刺針部位を掻かないように気をつけて下さい。

これら痛み、かゆみ、腫れは、蜂鍼の方法や置針時間、また、患者さんの体調、更には使用する蜂の個体差、季節などの条件によっても 、差が出ます。それまでの治療では腫れも、かゆみもなかったのに、突然、腫れと痒みが強く出る場合や、その逆に反応が出ない場合もあります。

アナフィラキシー及び ショック

蜂鍼療法における副作用として最も危険視されているのが、スズメバチなど大型の蜂に刺された時に見られるアナフィラキシーです。これは生命に関わる危険なアレルギー反応です。毎年、蜂に刺されて亡くなる事故が世界中であります。ほとんどがスズメバチや足長バチ系の蜂に刺されたアナフィラキシーで、確実に西洋ミツバチにより刺されて死亡した例となるとその報告は定かではありません。しかし、西洋ミツバチを利用する蜂鍼療法においても過剰なアレルギー反応を呈する場合も多々あり、その対応に十分な注意が必要であることは言うまでもありません。

その他の注意事項

アメリカなどで行われているミツバチにそのまま刺させる直刺などを行う場合には更なる注意が必要です。万一アレルギー反応が起きた場合には慌てずに、安静にします。時には抗ヒスタミン剤の服用や注射が必要な場合もあります。そのような事態を起こさないためにも蜂鍼の刺針の量は、慣れるまでは極力控えめにすることが必要です。一般に男性より女性、体力のあるものより、ない者が刺激に弱いようです。

鍼灸の治療においても、刺針により、急激な血圧の変化などを起こし、患者さんが吐き気やめまいを訴える場合があります。蜂鍼においても、蜂毒によるアレルギー反応としての吐き気やめまい、また鍼灸と同じように刺針部位により急激な血圧の変化を起こし、治療中、あるいは治療後急に動いて、吐き気や、めまいが生じる場合があります。治療後はしばらく安静にして、過激な運動は避けるようにして下さい。